僕のごはんは?
私が社会人になった当時に聞いた話です。
昭和30年〜40年に結婚をした女性は正社員でした。
忘年会・社員旅行等に参加する時は旦那さんの「許可」が要ると言っていました。
例えば
「忘年会があるから、行っても良いでしょうか?」と旦那さんにお伺いを立て、それに対して旦那さんは「行ってもいいが、僕の晩御飯は?」と言うそうです。
女性は
「”晩御飯は?”と言われると暗黙に”行くな!”と言われているようだから欠席します。」とおっしゃっていました。
「ふ~ん。旦那さんは、自分で用意しないのね。。。」と私は思いました。
しかしこのようなやり取りは当時の世代夫婦ではごく当たり前の儀式だったそうです。
先日、50才代の主婦(Tさん)から似たような話を聞きました。
Tさんは土日に仕事をしています。
旦那さんは土日が休みです。
旦那さんは「僕の昼ごはんは?何食べたら良いの?」と聞くそうです。
私は今時、珍しいと思いました。
男性の中には少数でしょうが、「僕のごはんは?」と聞くという話を聞きます。
上記Tさん夫婦は特別かも知れませんが、
Tさんの旦那さんは結婚するまで家族と同居をしており家事をお母さんが全てをしておりました。Tさん夫婦は共働きです。
ちなみにTさんのお母さんも仕事をしていました。
両親の価値観「男子厨房に入らず」に違和感もなく当たり前に過ごしていたのでしょう。
Tさんはそのようにおしゃっていました。
「僕のごはんは?」と聞かれてTさんは「は~?自分で何でも用意して食べてください。」と言ったそうです。
するとその後旦那さんはお弁当等を購入して食べていると言います。
旦那さんには他の家事もするという発想がありませんでした。Tさんは出産後も家事・育児を1人でこなしておりました。
「息子がいたら、男子でも家事を教える」とTさんは言いました。
Tさんの旦那さんのように、戦前の考えを持っている男性がまだいるのだと、ある意味驚きました。
妻が夫(パートナー)と「理想の夫婦関係」について話し合うことは必要だと思います。仕事から家事と全てを女性が1人で背負うのは負担が大きいです。
私はナゼ「男子厨房に入らず。」という価値観があるのか調べました。
====ネットから抜粋====
●「君子、庖厨を遠ざくる也」
「男子厨房に入らず」の由来は、中国の『孟子』にある、「君子、庖厨を遠ざくる也」から来ています。
これをもう少し詳しく説明すると、『孟子』には、王(君主)の道を説くところで、
「人情のある君主であれば、たとえ家畜であっても、生きているのを見ると、それを殺すのは忍びない気持ちになります。ましてや、その声まで聞いてしまうと、食べるのも忍びなくなってしまいます。
しかし、そんなことでは国を治めることはできないので、君主たるものは、そのような気持ちにならないように、調理をするために動物を殺している厨房には近づかないほうが良いのです」という事が語源のようでした。
●日本人の曲解
しかし、日本に伝わった時は、どこでどう解釈を間違えたか、表面的な部分だけが伝わって定着してしまったようです。
いわゆる「日本男子たるもの」の元は、「武士たるもの」です。
武士の道、すなわち「武士道」は、儒教の影響を多分に受けて形成されていて、儒教といえば孔子・孟子がその思想の大元なので、その影響は確実にあったでしょう。
しかし、日本での「男子厨房に入るべからず」という言葉のニュアンスは、動物への憐れみという意味ではなく、「みっともない」的な意味で使うことが多かったのではないでしょうか。
これはおそらく、日本の武士の価値観の中にあった、男尊女卑の視点が、どこかで混ざってしまったのでしょう。
封建時代の社会では、戦いによって権力を勝ち取っていたので、戦士である男が社会の実権を持つのは、世界的にもよくある流れです。
どこの国でも、力で領土を拡大していく武士(戦士)の時代になっていくと、力の弱い女性の身分は男性より低く扱われ、男性と同等の権利を得るまでに長い年月を要しています。
そこで、武士がやるべきではない、という扱いになった炊事を女性が担当した時点で、炊事=女の仕事=身分の低い者の仕事、という解釈になってしまったのでしょう。
====以上 http://seiyouryouri.yokohama/alacart/men.html====
調べていて思うことです。
実は私の父は1935年生まれです。
父の父世代(祖父母)から幼少期に「男子は台所に立つもんじゃない。」と「男子厨房に入らず」価値観そのものを植え付けられていました。
戦前の家庭は殆どが「男子厨房に入らず」だったようです。
そして父世代が持つ家庭の価値観を1950年〜1970年生まれの男性も当たり前のように植え付けられいると思います。なぜなら、親の価値観を持って子供は成長します。
高度経済成長期以降、女性の大学進学が始まり仕事でキャリアを積む女性も増え、結婚・出産後も仕事を続ける社会になりました。
もう男尊女卑で成り立っていた社会とは違ってきていると思います。
職場には1972年に「男女雇用機会均等法」ができました。
「男女雇用機会均等法」は職場会社だけで良いのでしょうか?
私は家庭にも「男女雇用機会均等法」があると夫婦関係がうまくいくと思います。
最近のニュースでは「産後パパ育休」制度もあります。
現代であっても冒頭のTさんの旦那さんのように、妻が忘年会等に行くと言うと「僕のごはんは?」という人がいまだにいます。
その反面妻が忘年会・社員旅行等に行くというと気持ちよく送り出す夫もいます。
ちなみに我が家のことですが、夫は私が忘年会等に行く時も食事のことは何も言いません。
注):夫は私に何かを言えば、私が何を言うかがわかり、食事に関しては私に言わないことを学んだようです。笑笑笑笑
夫婦関係も様々あると思いますが、会社だけが男女雇用均等法を守遵守するのでなく、
家庭内でも家事を妻(夫)だけがする時代ではないと思います。お互い様精神で協力し、理想の夫婦になるように努力をして欲しいと思います。
夫婦の問題解決は
ながたゆかり
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